地元は居心地がいいーーつなぎ(居酒屋)あや@北本市「当たり前のことなのかもしれないけど、いつ帰って来ても落ち着けるのが地元な気がするんですよね」 そう言われて、なんだかハッとしました。「あなたにとって“まち”って何ですか?」それはいつもわたしが決まって最後に聞く質問です。でもこんな回答が返ってくるとは思いませんでした。いや、それはわたしが、今までいろいろ難しく考えていたせいかもしれません。でもたしかに、家がそうであるように、地元は居心地のいい場所であればどんなにいいでしょうか。そしてそんな地元にしてくれるのは、やっぱり落ち着ける居酒屋だったりするのかもしれません。そんな店が一軒でもあれば、地元への愛着はわくような気がします。何よりわたしが個人店を中心にお話を伺っているのはそんな理由からです。そんなことを思い出させてくれたインタビューでした。text & edit by Esaki Nariya2022.04.24 03:00
常連さんができるまでーーキッチンカーに乗って Vol.1「スモーキーダイナー」後編 そのキッチンカーを初めて見かけたのは、偶然でした。いつも買い出しに行く道中、畑が広がるその場所にポツンと一台だけ、でもたしかな存在感を放って、よく晴れた空に似合う南国風のキッチンカーが停まっていました。車で信号に止まっていたときに見た一瞬で何を売っているかも分かりませんでしたが、そのあまりのインパクトに、ずっと気になっていました。次、停まっていたら行ってみようと、足を運んでみると、畑が広がるその場所には不似合いなほど、人が列をなしていました。その先を見るとハンバーガー屋さんが停まっていました。今思うと、それがわたしとキッチンカーのほとんど初めての出会いだったかもしれません。今回はそんなキッチンカーを運営しているスモーキーダイナーさんにお話を伺ってきました。後編はいよいよ「まち」と「キッチンカー」について聞きました。取材・構成:えさき***「生まれ育った場所で、ちょっと離れたとしても、いつかは戻って来たい、そういうまちであって欲しいですね」 なかなか認知されず、営業場所を確保するのが難しかったキッチンカーは、あることがきっかけで転機が訪れます。それが前編の冒頭にも書いたコロナの影響です。たしかにコロナになってから、キッチンカーをまちでよく見かけるようになりました。それはわたしの住む北本市も例外ではありません。「今は割と、キッチンカーが増えたことによって、メディアとかでも取り上げられて、結構、いてもおかしくないみたいな感じになりましたね」 飲食店もコロナの影響で、テイクアウトを増やさざるを得ない状況になりました。テイクアウト需要が高まるなか、もともとテイクアウトに強いキッチンカーが増えたのは自然な流れかもしれません。実際、kosa10magazineでも取材させていただいたトラットリア・イッチアさんは固定店舗からキッチンカーへと転身しました。実は今回の取材のきっかけにもなった北本駅西口で週に2回開催される北本ナイトマルシェも、イッチアさんの声がけがあってこそなのだとか。2022.03.28 01:00
選択肢が広がるーーキッチンカーに乗って Vol.1「スモーキーダイナー」前編 そのキッチンカーを初めて見かけたのは、偶然でした。いつも買い出しに行く道中、畑が広がるその場所にポツンと一台だけ、でもたしかな存在感を放って、よく晴れた空に似合う南国風のキッチンカーが停まっていました。車で信号に止まっているときに見た一瞬で何を売っているかも分かりませんでしたが、そのあまりのインパクトに、ずっと気になっていました。次、停まっていたら行ってみようと、足を運んでみると、畑が広がるその場所には不似合いなほど、人が列をなしていました。その先をかき分けて見るとハンバーガー屋さんが停まっていました。今思うと、それがわたしとキッチンカーのほとんど初めての出会いだったかもしれません。今回はそんなキッチンカーを運営しているスモーキーダイナーさんにお話を伺ってきました。前編はキッチンカーを開くまでを聞きました。取材・構成:えさき2022.03.14 01:00
「いぬが好き」その思いのまま広がるドッグランの開き方ーー柴ドーナツ&ドッグラン@北本市 午後2時、予定通り取材の時間につき、ちょうどお店の前にいたご主人とあいさつを交わし、奥さんがお店から顔を出したところで、愛犬を連れたお客さんがつづけてやってきました。やはりここに来るお客さんはいぬ好きが多いようでーーなかにはうさぎを連れているお客さんまでーーだからか、どのお客さんも奥さんとの会話が弾んでいました。まだ開店して半年ほどなのに、まるでわが子の話題で盛り上がっているように。もちろんそれは、店主である白石さんが、ドッグランを開いてしまうほど、いぬへの愛情があふれているかもしれません。今回はそんな柴ドーナツ&ドッグランさんにお話を聞きました。text & edit by Esaki Nariya2022.02.06 01:00
あの体験を届けたい。わずか1年でオープンした、その原動力ーー恋人は麻婆豆腐@北本市「恋人は麻婆豆腐ぐらいの人がいてもいいじゃないですか。まずは、おれが第1号だ。っていうのがありましたね」店名の由来を聞くとそんな答えが返ってきました。でもたしかに「好きな食べものはなんですか?」そう聞かれてあなたはなんと答えるでしょうか。ラーメン?お寿司?それともカレー?たしかにそこで麻婆豆腐と答える人は少ないかもしれません。でも「麻婆豆腐は好きですか?」と聞かれると好きです。と答える人はきっと少なくないでしょう。でも冒頭の質問にこそ麻婆豆腐と答えて欲しい。そんな思いで、麻婆豆腐専門店を埼玉県は北本市にオープンした恋人は麻婆豆腐さんにお話を聞いてきました。text & edited by Esaki Nariya2022.01.10 01:00
「バランスの料理」ハンバーガーでつなぐ「まち」と「ひと」ーーCouch Potato@北本市 そのハンバーガーを食べたとき、近所でこんなにおいしいハンバーガーが食べられるんだと嬉しくなったのを覚えています。今回お話を聞いたのは、そんなハンバーガーを食べることのできるCouch Potato(カウチポテト)さん。北本駅東口を出て、右方向に歩いて、駐輪場を抜けると、すぐ左手にお店はあります。お店に入ると、その名の通りーーカウチポテトとはソファーに座ってだらだら過ごす人を意味するーーゆったりと過ごせるソファー席で、ゆっくりとお話を聞かせていただきました。text & edit by Nariya Esaki2021.11.28 01:28
親でもなく、先生でもない、駄菓子屋みたいなクレープ屋さんーーQoo's Cafe@北本市「特にクレープが好きということは全くなくて、むしろ嫌いな食べものだったんですよ」 インタビューはそんな衝撃の一言から始まった。お店をやっているからといって、誰しも「好き」から始めているわけではないし、できることが必ずしも「好き」なこととは限らない。「好き」でないものでも、需要があれば成立するし、「好き」なことでもそれがなければ成立しない。お金にするというのは、つまりそういうことなのかもしれない。今回はそんな偶然の出会いからはじまったキッチンカーと固定店舗も運営するクレープ屋さん、Qoo's Cafeさんにお話を伺いました。text & edit by Nariya Esaki2021.10.31 03:00
イタリア料理からピザ屋へーーフットワークが軽くなった理由 trattria icchia@北本市ニュースを見ていると、飲食店への風当たりがつよい。自粛に次ぐ、自粛...マスクをしてい るだけでも気がめいるのに、飲食店の方はいったいどんな気持ちではたらいているんだろ う。そんなことを思いながら、今回のインタビューをすることに決めました。でも通常なら お店に足を運ぶのに、今回はオンラインでのインタビュー。なぜオンラインでのインタビュ ーになったかは本編を読んでいただくとして、お話をうかがったトラットリア・イッチアさ んは、このコロナの影響をつよく受けたお店のひとつ。だからこそ、これからの飲食店のあ り方、そして、はたらき方が見えるようなインタビューになりました。edit & text by Nariya Esaki2021.10.10 02:00
「あそべるまち」北本市観光協会@北本市 これを書いたのはもう1年も前の話。まだまだ北本のことを全く知らない中で、取材をしたのがはじまり。もうツカノマもなくなってしまったし、雑木林の会のログハウスはプロの手も借りて、しっかりしたものが出来上がりつつある。 この頃は、まだ"森めぐり"も"秋の収穫祭"もお客さんとしてすら、参加したことがないままに話を聞いている。でもだからこそ、この取材はそのあらゆるはじまりとしてそのまま収録したかった。何しろここから北本はうそのように面白くなっていくのだから。text by Nariya Esaki2020.03.15 01:00
「まちが人生の一部になるまで」コーヒーとタイヤキのカラク@北本市 取材は土曜日、着いたのは10時前、オープンは9時半なのにもうお客さんが入っていた。ひとりで朝をたのしむ。贅沢な時間。そんな時間をたのしめる場所が近所にあるのは嬉しい。とは言えこの日は奥さんがお子さんの野球の試合を観に行っていたこともあって店主ひとり。ゆっくりと話は聞けなかったけれど、お客さんの声も交わる取材は、むしろカラクらしさを感じられるそんなひとときだった。 「今年の秋でもう13年ですね、気が付いたらって感じで」 13年、それは13年前の自分を想像してもらえれば――当時好きだった音楽や映画、ファッションを思い出せば一瞬で接続してくれるかもしれない――それがどれだけ長い年月か分かるだろう。もちろんカラクのある清水ショッピングセンターも13年前とはその姿は大きく変わってしまった。かつては向かいに並ぶ4つのテナントも全て埋まっていたけれど、2018年の春に人気のパン屋さん(イエローナイフ)が浦和に移転してからというもの清水ショッピングセンターの看板もなくなり、すっかり寂しい場所になってしまった。もっとも今、また新たな動きが産まれそうではあるけれど。またそれは別の機会にでも書くことにしよう。「タイヤキってワードがなんとなく浮かんで」2020.01.25 01:00
「好きじゃないからの始まり」cocofukbagle@北本市「もともとベーグルは好きな食べものじゃなかったんです」それを初めて聞いたときは耳を疑ってしまった――なにせわたしたちは個人店は好きから始めるものというイメージが染みついてしまっているのだから――でも意外と仕事というのはそうしてつくられるのかもしれない。好きじゃないからこそ、そこには好きになるには?という問いが産まれるのだから。text & photo by Nariya Esaki2019.12.07 01:00
「当たり前の積み重ね」クッチーナD@北本市当たり前のことを当たり前にやる。たったそれだけのことが案外むずかしい。そんなことを思ったことはないだろか?もちろん当たり前にもたくさん種類はある。当たり前なら口にしなくてもいいはずなのに、どうしても口に出てしまう言葉たち。それはきっと積み重ねたからと言って、誰でも叶えられるわけではないと、多くの大人たちが思ってるからかもしれない。それは頑張ること、努力すること、そして一生懸命やること。でもそれを当たり前にやって来た人たちは口にしない言葉なのかもしれない。2019.11.02 01:00