Nariya Esaki

kosa10magazine主宰。テレビ業界からレコ屋店員を経て現在埼玉県北本市在住の二児のパパ。

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常連さんができるまでーーキッチンカーに乗って Vol.1「スモーキーダイナー」後編

 そのキッチンカーを初めて見かけたのは、偶然でした。いつも買い出しに行く道中、畑が広がるその場所にポツンと一台だけ、でもたしかな存在感を放って、よく晴れた空に似合う南国風のキッチンカーが停まっていました。車で信号に止まっていたときに見た一瞬で何を売っているかも分かりませんでしたが、そのあまりのインパクトに、ずっと気になっていました。次、停まっていたら行ってみようと、足を運んでみると、畑が広がるその場所には不似合いなほど、人が列をなしていました。その先を見るとハンバーガー屋さんが停まっていました。今思うと、それがわたしとキッチンカーのほとんど初めての出会いだったかもしれません。今回はそんなキッチンカーを運営しているスモーキーダイナーさんにお話を伺ってきました。後編はいよいよ「まち」と「キッチンカー」について聞きました。取材・構成:えさき***「生まれ育った場所で、ちょっと離れたとしても、いつかは戻って来たい、そういうまちであって欲しいですね」  なかなか認知されず、営業場所を確保するのが難しかったキッチンカーは、あることがきっかけで転機が訪れます。それが前編の冒頭にも書いたコロナの影響です。たしかにコロナになってから、キッチンカーをまちでよく見かけるようになりました。それはわたしの住む北本市も例外ではありません。「今は割と、キッチンカーが増えたことによって、メディアとかでも取り上げられて、結構、いてもおかしくないみたいな感じになりましたね」 飲食店もコロナの影響で、テイクアウトを増やさざるを得ない状況になりました。テイクアウト需要が高まるなか、もともとテイクアウトに強いキッチンカーが増えたのは自然な流れかもしれません。実際、kosa10magazineでも取材させていただいたトラットリア・イッチアさんは固定店舗からキッチンカーへと転身しました。実は今回の取材のきっかけにもなった北本駅西口で週に2回開催される北本ナイトマルシェも、イッチアさんの声がけがあってこそなのだとか。

「まちが人生の一部になるまで」コーヒーとタイヤキのカラク@北本市

 取材は土曜日、着いたのは10時前、オープンは9時半なのにもうお客さんが入っていた。ひとりで朝をたのしむ。贅沢な時間。そんな時間をたのしめる場所が近所にあるのは嬉しい。とは言えこの日は奥さんがお子さんの野球の試合を観に行っていたこともあって店主ひとり。ゆっくりと話は聞けなかったけれど、お客さんの声も交わる取材は、むしろカラクらしさを感じられるそんなひとときだった。 「今年の秋でもう13年ですね、気が付いたらって感じで」 13年、それは13年前の自分を想像してもらえれば――当時好きだった音楽や映画、ファッションを思い出せば一瞬で接続してくれるかもしれない――それがどれだけ長い年月か分かるだろう。もちろんカラクのある清水ショッピングセンターも13年前とはその姿は大きく変わってしまった。かつては向かいに並ぶ4つのテナントも全て埋まっていたけれど、2018年の春に人気のパン屋さん(イエローナイフ)が浦和に移転してからというもの清水ショッピングセンターの看板もなくなり、すっかり寂しい場所になってしまった。もっとも今、また新たな動きが産まれそうではあるけれど。またそれは別の機会にでも書くことにしよう。「タイヤキってワードがなんとなく浮かんで」